昨夜は月明かりの下を野川からはるばる小金井公園までえっちらおっちら、ペタペタと河童の私は散歩に行ってきました。昼間は照りつける日差しで河童のお皿が乾いてしまうのです。

　土のかび臭さと木々の放つ芳香が混ざり合った夜気を胸いっぱい吸い込みながら、郷土資料館の方へ歩いてゆくと、電灯の明かりに照らされたアスファルトの上で大き目の塊がモゾモゾと動いているのを見つけました。
　さっそく近づいてみるとモジョモジョと虫の足が動いていました。黒いボリューミーなそれはカブトムシでした。
　カブトムシはひっくり返って足をモジョモジョしていたので起こしてやるとオスのカブトでした。メスは小金井でも時々見かけるのですがオスは珍しい。たぶん明かりに向かって飛んできてプラスチック製の電灯に衝突してひっくり返ってしまったのでしょう。

　再び郷土資料館へ向かって歩き出すともう一本の電灯が近づいてきました。そしてまた黒い塊がモゾモゾしています。近づいて起こしてやるとまたもやオスのカブト。どうやら運がよいようです。


　
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